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外来種への対策

2026.02.25
ニュージーランドにいる外来種のネズミ(house mouth)

ニュージーランドは独自の生態系を持つ島国であり、ニュージーランドにしか存在しない生物がたくさん生きています。

ですが人間によって持ち込まれたネズミ、イタチ、ポッサム、ネコなどの外来種(哺乳類捕食者)によりその多くが絶滅の危機へとさらされています。

ニュージーランドの固有種を守るためにニュージーランドもさまざまな取り組みをしていますので、その一部をご紹介します。

トラップ(罠)

山や森の中をハイキングしているとよく見かけるのが、外来種用のトラップ(罠)。

青かピンクの三角が目印。

ニュージーランドのハイキングマーカー(青)

近くの木にリボンが結ばれていることもあります。

ネズミやイタチなど特定の外来種を対象としており、他の種(鳥など)には害が及ばないように設計されています。
DOCは18万個以上の罠を持っており、毎年約500万ドル以上を外来種の駆除に費やしているそう。

だいたいのトラップは1度作動すると、人間が回収して仕掛け直す必要があるため、手が回っていなかったりするとトラップに死骸が入ったまま、もしくはトラップの周りで死骸が放置されている、なんてこともあります。臭いがやばいです。

ポッサム用のトラップ

また、外来種がの数が多くトラップでは間に合わない場合は毒の入った餌が使われることもあります。

https://www.doc.govt.nz/nature/pests-and-threats/predator-free-2050/community-trapping

1080

1080(ten-eighty、テンエイティ)とは、簡単にいうと毒の入った餌をヘリコプターで撒いて外来種を駆除しようというものです。

ニュージーランドにはコウモリ以外に在来の陸上哺乳類が存在しないため、在来種の個体数に悪影響を及ぼすことなく、哺乳類捕食者(ネズミやイタチなど)を制御できるとされています。

餌に含まれる有毒な成分はフルオロ酢酸ナトリウムで有毒植物に存在する天然由来の毒素であり、食べられずに地上に残った毒は微生物、真菌、植物などが環境中で自然に分解して、無害な素材にするとされ、土壌、水、植物、動物に永久的な残留物を残すことはないとされています。
また水がかかると急速に希釈されるため、散布から24時間後にはほとんど検出不能となるとされています。
地下水や河川でも検出されないほど急速に希釈されるため、水生生物や魚などに毒の影響はないとされています。

ニュージーランドの多くの場所がアクセスが難しい山や、深い森林であるため、ヘリコプターで空中から1080を撒くことがトラップを仕掛けることのできない場所での外来種の駆除の唯一の方法だと言われています。

1080が人体に悪影響を及ぼす事例は記録されておらず、ニュージーランドでの飲料水も、1080によって汚染されたことはないとされています。

街中で散布されることはもちろんありませんが、ハイキングコースなどでは1080の散布中は通行が制限される場合があります。
1080が撒布された場所を訪れる場合は、1080を食べた有毒な死骸や餌(緑色のペレット)が存在する可能性がありますが、絶対に触れたりしないでください。

また犬や猫は1080を接種すると死んでしまう可能性があります。
餌のペレットはもちろん、毒で死んだネズミやイタチの死骸を食べてしまっても命に関わるので注意しましょう。

なお1080に関しては、毒を空から撒くということへの抵抗感が強く反対する声も多くある印象です。

https://www.doc.govt.nz/nature/pests-and-threats/methods-of-control/1080

Predator Free 2050

Predator Free 2050(プレデター・フリー2050)というのは、2050年までにニュージーランド全土からイタチ、ネズミ、ポッサムを根絶するという国家レベルのプロジェクトのことで、DOCなどの政府機関はもちろん、企業や大学なども参加しています。

ニュージーランドでは外来種が毎年約2500万羽の在来種の鳥を殺しているとされ、絶滅の危機にある在来種の割合が世界で最も高い国の1つです。
ニュージーランド全土の人々が、ボランティア活動、寄付など、自然のために行動を起こし、大きな進展を遂げています。

ニュージーランド在来種の鳥類の72%、在来昆虫の81%がニュージーランドにのみ生息していると言われており、もしそれらの在来生物がニュージーランドから消えてしまったら、もうこの世界のどこにも存在しないということになります。

https://www.doc.govt.nz/nature/pests-and-threats/predator-free-2050

命を取捨選択するということ

みなさんはこのようなニュージーランドの取り組みについてどう思いますか?

ニュージーランドの固有種を保護したいという気持ちはよくわかるし、私もそう思います。

ただ外来種も元は人間が人間の都合でニュージーランドに連れてきました。今ニュージーランドで生きている外来種のほとんどは外から来たわけじゃなくニュージーランドで生まれた世代です。そして外来種も命です。
kiwiが大事なのでイタチは全員殺します。言い換えたらそういうことです。

外来種がいると迷惑だから、外来種は好きじゃないから、そういう気持ちでやっているならまだわかります。
固有種のためだから、そうほとんどの人は言いますが本当にそうですか?自然は人間になにかを望んだりしていないと私は思っています。人間がやりたいからやっている、環境保全だって人間のエゴだということをまず自覚するべきだと私は思います。

そしてそのエゴのために命の取捨選択をするということが本当に正しいことなのか、すべきことなのか、今一度考えてほしいと思っています。

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